自分で体験しないとわからないことってあると実感。この度、父が他界したことで改めて相続の大変さを知る。
手続きもそうだが、取得しなければならない書類の膨大さに驚愕しつつ、こつこつと集めていくしかないし、自筆証書遺言を託された場合はその検認の申し立てを家裁にするにあたり、必要書類をまず集めなければ申し立てもできないのだ。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・改正原戸籍を集め、自分の戸籍謄本・住民票等と合わせて家裁に申し立ての申請をすることから始まり、家裁からの連絡で必要書類が不足していればそれを追加で提出し、やっと一ヵ月後に検認の作業となった。
裁判所に行くということは、普通に生活していたらまずめったにないことなので、家裁に行くだけでもやや緊張する。
私には成年被後見人の弟がいるため、後見人の弁護士の先生も検認には立ち会うとのことで裁判所でお会いした。
弁護士の先生は職場といっても過言ではない裁判所なので、手順等も慣れていらっしゃる。検認、といっても、一応小さな法廷で、裁判官と書記官が入廷してその場で遺言書にはさみを入れ開封、ホチキスですべてを留めて枚数を読み上げ、筆跡はどなたのものかわかりますか?と、私と後見人に聞くという作業が行われる。
後見人の先生も、父の筆跡は何度も見ているので、「〇〇さんのものだと思います」とおっしゃられ、父の自筆遺言書の検認が終わる。
その後、印紙等購入して、証明書の発行を待つこと30分くらいで裁判所の検認の印が押された遺言書が手元にもどってきた。
これだけの作業だが、申し立て・必要書類の追加提出、検認と、三回家裁に足を運んだ。
その前には、戸籍の取得で5か所の自治体の役所、後見していることの登記情報取得に東京法務局、自分の戸籍を取得という作業を経ている。
振り返ると、公正証書遺言にしておけば・・法務局に遺言書を登記しておけば、家裁での検認は受けずに済んだので、弟の後見人の弁護士の先生に「法務局に登記しておけばよかったと振り返ると思いました」と話すが、「いや~ご高齢の麻痺のあるお父様を連れて、公証役場や法務局に行って手続きすることを考えると、このやり方がベストだったのではないかと思いますよ」とおっしゃられた。
たしかにその通りで、自分の遺言というあまり自分にとっては嬉しくない行為を、要介護の高齢者にお願いするのも気がひけるし、死ぬのを期待しているような感じがして私は父には言えなかったし、言いたくもなかったので、これでよかったのだろうが、この手続きの煩雑さは予想以上のものだったので、それを考えると、公正証書遺言、もしくは自筆でも法務局に登記する、ということを被相続人が元気にうちにやっておくのが、残された人にとってはよいのだろうと思った。
人の命を通してのことなので微妙なことだけれど、しっかり相続について話し合える元気が、被相続人相続人共にある状況であれば、事前に公正証書遺言もしくは自筆証書遺言を法務局に登記しておくことをお薦めいたします。
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