駅前路面店ゆえの出来事

風通しの良いお部屋とご縁を紹介

駅前路面店ゆえの出来事

今は、路地裏に引っ込んだのでこういったストレスから解放されてとても幸せだが、以前は高田馬場の駅前の路面店ゆえの出来事にも多数遭遇し、「人ってほんとにいろんな人がいるし、世の中ってすごく自由ね」と、よくない意味で思うことが多かった。

ある意味、トラウマともいえる出来事もあたりして、ふとしたことがトリガーになって想い出される。

今日はそんな一コマを書いてみます。

閉店間際の出来事。

その時は、日本語が堪能な外国籍の女性のお客様が住居を探しに来店中、店長が接客している状況だった。時刻は7時過ぎ。閉店時間は過ぎているが、接客が終わらないので開けている状況。そろそろお客様も帰りかけた、そんな時に、酔っ払いと思われる70代前半のシニア男性が入ってきた。

不動産を探しているわけではなく、道を尋ねに。

酒臭く、明らかに少し酔っぱらっているその方は「〇〇っていう店、知らない?この辺にあったんだけど」と私の方に来たので、「ごめんなさい、この辺りの店のこと、あまりよく知らないんです。なのでわかりません」と、お伝えし、お帰りいただこうとしたのだが、しつこく「ねぇ、〇〇って有名な店なんだよ、知らない・」と何度か同じ質問を繰り返しながら、なかなか帰ろうとしない。

接客中の店長も、お客さまもこちらを見ながら、「そのお店はわからないです」と繰り返し、私もやんわりお帰りいただこうとしていた。

そもそも、道を聞きにきたその方は客でもなく、ただの迷惑オヤジである。

あまりにもしつこく絡まれつづけ、口からは「そうですかー、でもわからないんですーごめんなさい。」と呪文のように唱え続け、心の中では「しつこいな」とやや舌打ちしつつも、笑顔でお帰りいただこう、もう一押しで帰るかな・・と思ったその瞬間、店長が立ち上がった。

「わからないって言ってるじゃないですか、こちらは仕事場なので、お客様もいるし迷惑です」と言った。

私がお客様の外国籍の女性に「ごめんなさい。」と謝ると、私に目配せしながら「店長の言ってることは正しい。悪いのはあの酔っ払い。ここは男性に任せて私達は見てましょう」と言ってくれたが、私としては、「ここは店だし、とにかく平穏に済ませたい」という意識が強く、はっきりと言ってしまった店長に「もうやめましょうよ」というも、ヒートアップして、オジサンは酔った勢いもあり、悪態をつき更に絡みだした。
店長が「そもそも道をきくなら交番に行ってください。こちらはお客さんもいるのに迷惑です。警察よびますよ」と言ったら「あーーよべよ」と悪態をつき居座る始末。

ジイサンいい歳してはずかしいなぁ・・・と思いつつ、大ごとになり困惑しつつ警察が来た。

「お父さん、酔っぱらってるね、ちょっとここはお店の中でお店の方に迷惑だから、外出ましょうか」

と若い警官に言われても、その迷惑オヤジはくだを巻いてゴネている。。。。。

私の中で何かがプチっとキレ、こう言ってしまった。
「もういいかげんにしてください!!! こちらは最初からわからないって言ってるじゃないですか。静かにお帰りいただけたらこんなことにならないのに、ご自身の歳で恥ずかしくないんですか? そもそも、お客さんにも迷惑。時間を奪ってる。私達の時間も奪ってる。酔っ払いだからってやっていいことと悪いことがあるんですよ!!! それすらわかりませんか?」と 笑

すると、みんなしーーーんとなり、若い警察官の方が「ほら、お父さん迷惑だから。おとなしく外出ましょう」と、いうことで外で警官に説得され、帰って行った。

警察官の方は、「大変でしたね。また何か困ったことがあったら通報してください」と、さわやかに帰って行った。

店内にいた外国籍のお客様にも「時間を取らせてしまってごめんなさいね。」と謝罪したら「あなたは何も悪くない。悪いのはあのお爺さん。いろんな人がいるね」と。ありがたいお言葉を。外国籍だからとひとくくりにはできないし、当然だけど悪い日本人もいるし佳い外国籍の方もいる。

こんなことがあると、女性が一人で店番するのもこわいなぁ・・・夜は酔っ払いがいるから迷惑客も多いし、早く店閉めたほうがいいかなぁと想ったり、脱路面店を目指したいきっかけにもなる出来事であると同時に、警察のありがたさもしみじみ感じた出来事でもありました。

おそらく、すべての路面店で商売される方が、いろんなご経験をされていることと思います。

人が他者に思いやりを持ち、ほんの少しでも相手の立場を慮ることができれば、こんなことないのにな・・・と日本人同士でも思うわけだから、常識も意識も違う人が集まる多民族国家になったら、それはトラブルは増えるよな、と思う今日この頃です。

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